『雨の掟』を読む
バリー・アイスラーの新作『雨の掟』を読む。
著者のバリー・アイスラーは数年前、自身が元CIAであることを告白し、彼の作品で描かれるスパイ行動や、ターゲットを暗殺するまでの周到な準備などが、リアリティに富むものであることを改めて認識させられた。
作品の中で、これらの描写が時にはくどいと思われるほど詳細に書かれていた理由は、おそらく彼が元CIA員であることを訴える(当初は秘密であった)手段だったのだと思う。
さて、今回の作品。以前とは異なり、主人公ジョン・レインがターゲットを仕留める寸前で、ためらいが生じ、そこから物語が進んでいくことになる。
相変わらず、スパイ技術に対する用意周到さには驚かされる。
待ち合わせに至る場所までの経路、待ち合わせの場所での確認事項、何か違うと感じる洞察観の鋭さ…などは、リアリティに溢れているのではないか。
このようにスパイ活動をみてみると、『プライバシー権』などを主張する人たちには失笑せざるえなくなる。
”あし”のつかない連絡手段方法というのは限りなく0に等しいし、調べようと思えば『プライバシー』など感じられなくなるくらいの個人情報が簡単に手に入る。
今はそんな世の中だ。
無論、中には医学的な人間の身体の特徴なんてのも随所に記述されている。
たとえば、人が恐怖に慄くと声が出ないのは生理現象だということだ。
恐怖でアドレナリンが過度に分泌されると、喉が締め付けられ声がでないのだそうだ。
痴漢にあって、怖くて声が出なかったという女性の証言には、信憑性があるということのようだ。
スパイものに興味のある人は『雨』シリーズは4冊出ているので、『雨の牙』から読んでみたらどうだろうか。
もっとリアリティの欲しい人には、『スパイキャッチャー』なんて発禁本もありますが…(笑)
スパイキャッチャー




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