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問題意識の欠如

 ここ数日、企業の研修を受けてみた感じたことがいくつかある。

 まず第一に、問題意識の欠如だ。
 研修を受ける前に、個人情報保護法の簡単な説明を受けた。
 日ごろから、物事を違う角度からみるくせがついているので(笑)、企業としてはどうしても意識せざるえないことであっても、どこまで本気で捉えているのだろうか、とふと考えてしまうのだ。

 確かに、社員の注意を引いたり、企業の信用問題にもかかわるので、個人情報保護法の社員教育を行うことは理解できる。
 ただ、聞いている限り、どうも『「法令遵守」が日本を滅ぼす 』でも書かれているように、形式的な法令順守ばかりに目が行き、根本的な法に対する目的意識が欠如しているように思える。

 たとえば、こういった情報漏えいの問題というのは、うっかりミス(忘れる、紛失する等)を除くとどれも、違法もしくは、常識の範囲外の利用者によってもたらされる被害ばかりだからだ。
 例のごとく、情報漏えいの槍玉としてwinnyなどが当然のごとくあげられていたが、アメリカではテレビ局や映画会社などが、winnyと同じP2Pソフト『ジュースト』を使ってオンデマンド配信を始めている。

 そもそも、現在の個人情報保護法は過度にプライバシー権を保護しすぎていて、過度な個人情報保護法対策は、池田信夫氏が指摘するとおり、表現の自由に対する侵害に他ならない。

 第一、この個人情報保護法というのは、プライバシーを配慮する人々ではなく、現在問題となっている社会保険庁のサボタージュや裏金を把握されたくない政治家、仕事を増やしたい弁護士などによって成立したといってもよい。

 以前、『日本の片隅で基本的人権とは何かを考える』http://bucchake.cocolog-nifty.com/bucchake/2005/02/post_1.html  でも指摘したように、そもそも日本人が抱く『基本的人権』という概念そのものが間違っており、そういった誤った認識の下で、聞こえのいい言葉で形成されるのが世論で、それがいつしか文化として形成されるのだろう。

 だから、企業でこのような個人情報保護法の説明を受けても、適切な情報の利用ではなく、過度な保護により事務処理コストが倍増するだけのような気がしてならないのだ。

 日本企業の生産性低下をもたらす大きな理由は①大企業経営者の保身と、そこからもたらされる官僚組織の肥大化と、②こういった過度な法規制であり、無意味で過剰な法規制が、さらなる生産性低下を招くことは間違いない。

 4月から施行されたJ-SOX法、今自民党が法案を通そうとしているネット規制など、今後も日本の生産性の低下を招く法規制は、ますます私たちを苦しめることになろう。

 企業そのものや、企業の担当者が形ばかり、場当たり的な法令順守を行うと、それを規制する官僚組織は肥大し、ひいては日本企業の生産性が低下し競争力の低下を招きかねない。

 日本の内需が弱いというのは、IT化や技術革新や工夫によってもたらされる生産性の向上よりも、こういった過度な法規制により、事務処理コストの増加の方がかかるからなのではないだろうか。

 日本の国民の消費行動を冷静に分析すれば、決して馬鹿な国民ではない。
 大手を振ってやってきた、ウォールマートやカルフールといった世界の小売業や、P&Gといった企業も日本のヨーカ堂やイオン、花王といった企業には太刀打ちできなかったことがそれを物語っている。

 しかし、こと法律に関することや、それがもたらすデメットに対する思考は停止しているといっても過言ではない。
 その結果が、昨今話題の年金問題であり、個人情報保護法であり、ネット規制であることは間違いない。

 日本国民は決して馬鹿ではないが、民度は決して高いものではない、といった方が適切なのかもしれない。

 

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